“ＴＶ界のアカデミー賞”である第６９回エミー賞で栄光の頂点、ドラマシリーズ作品賞など主要８部門を制し、絶賛を浴びるとともに社会現象級の大反響を呼んだ秀作ドラマ。マーガレット・アトウッドの小説「侍女の物語」（ハヤカワｅｐｉ文庫）が原作で、舞台は近未来の米国。環境汚染などが原因で女性の不妊率が上昇する一方、民主主義は崩壊し、社会は徹底的な階級制度とキリスト教原理主義で支配されていた。そして、子どもを産める女性たちは“侍女（メイド）”として教育され、上級階級の家で不妊の妻の代わりに子どもを産む務めを果たすよう義務付けられていた……。非常にショッキングな内容だが、女性差別や全体主義への批判が大きな共感を獲得。特に米国で“＃ＭｅＴｏｏ運動”が盛り上がるよりも早く発表されたのは出色だ。エミー賞とゴールデン・グローブ賞をＷ受賞したヒロイン、オブフレッド（ジューン）役のエリザベス・モスの熱演にも注目。